MENU
〒223-0056
神奈川県 横浜市港北区
新吉田町 3167
045-577-3988

COLUMN
コラム

2025.11.25
NEW

目も開かない子猫を保護したら…子猫の育て方

子猫の適切な成長と病気の早期発見のために特に重要な管理項目は、体温管理と保温毎日の体重測定と適切な栄養(ミルク)の給与排泄の介助と観察、および寄生虫の検査と駆除を含む予防医療のための動物病院への慣れです。

目も開かない子猫を拾ったら・・・

まずは保護して体温管理(保温)

    ◦ 子猫は自分で体温調節ができないため、暖めることが非常に重要です

    ◦ 体温の目安は、1〜3週齢で36〜37℃、4週齢で38℃です。体温は動物用の体温計も市販されていますし、人間用の体温計を使うのであれば、体温計の先端にラップを巻いてオリーブオイルをつけ、肛門にさして直腸温を測ります。1㎝くらい挿入しましょう。

    ◦ 保温箱(段ボールなど)を用意し、清潔なタオルやふかふかの毛布を使用します。ヒーターや湯たんぽの上にタオルを敷き、床の片側に置くことで、子猫が自ら場所を選べるようにすることが推奨されています。

    ◦ 体温、心拍数、呼吸数の低下には注意が必要です。よく観察しておかしいなと思ったら動物病院を受診しましょう。

そもそもこの子猫は何歳なの・・・?

    外見や歯の生え方を見てある程度予測することができます。

 ◦ 3日齢: 臍の緒が脱落します。

    ◦ 6〜14日齢: 外耳道が開きます。

    ◦ 8〜10日齢: 眼が開きます。

    ◦ 2〜3週齢: 乳前歯が生えます。前後肢のよちよち歩行が始まります。

    ◦ 3週齢以降: 自力での排尿・排便が可能になります

    ◦ 3〜4週齢: 乳犬歯が生えます。目の色が変わります。

ある程度の年齢の区別がついたらとにかく無事に大きくなれるよう頑張ります。日々どんなお世話が必要になるのかを記載したいと思います。

体重測定(成長の確認と異常の早期発見)

    ◦ 子猫の成長を確認し、体調変化に気づくきっかけとするために、毎日体重を測定することが不可欠です

    ◦ 出生時体重は90〜110gで、毎日10〜15gずつ増加するのが目安です。週齢に100をかけると目安の体重が推測できます。

    ◦ 体重測定は、朝ご飯前や夜寝る前など、決まった時間やタイミングで行い、飲んだミルク量とともに記録します

    ◦ 体重が増加していない場合は、食事量を増やしたり、原因を探る必要があります。

    ◦ フェーディング・キトン症候群(FKS)は生後数週間以内の子猫の死亡原因の半数以上を占めます。体重が増加しない、食欲不振、嘔吐、下痢、無気力、努力性呼吸、鼻汁、目脂などの症状を早く見つけることが重要です。FKSの原因には、外傷、遺伝疾患、代謝性疾患、感染症などが含まれます。

排泄の介助と観察

    ◦ 子猫は3週齢まで自分で排泄することができません

    ◦ ミルクを与える前に、ぬるま湯で濡らしたティッシュやコットンで陰部を軽くたたき、そっと拭き取ることで排尿・排便の介助を行います。

    ◦ 尿と便の状態をよく観察し、管理表に記入します。

    ◦ 子猫の下痢は、人工乳への移行時や離乳食への切り替え時、ミルクの温度が低い場合、または感染症や寄生虫が原因で発生することが多いです。

ごはんは何を与えればいいの?

子猫のライフステージは生後12ヶ月齢までが成長期とされ、身体を造るための栄養素や未熟な抵抗力・消化能力をサポートする栄養成分が必要です。

    ◦ 栄養: 市販のキャットミルクを与えましょう。人間が飲む牛乳は分解できないため避けましょう。ミルクは人肌(37〜38℃)の温度で3〜4時間ごとに与えます。

与える姿勢は必ずうつ伏せの自然な状態で!仰向けにしてミルクを与えると誤嚥しやすくなります。

    ◦ 誤嚥: 生後8日までは咽頭反射がなく誤嚥しやすいため、ミルクを与える際は注意が必要です。胃の容量は体重100gあたり4〜5mlです。体重あたりのミルクの量を計算して一度に与えるミルクの量はなるべく超えないようにしましょう。一度に大量すぎるミルクを与えると吐き戻し誤嚥しやすくなります。

歯が生えてきたらやっと離乳食へ移行!
子猫の成長における歯の発生時期の目安は以下の通りです。

乳前歯2〜3週齢で生え始めます。

乳犬歯3〜4週齢で生え始めます。

乳前臼歯5〜6週齢で生え始めます。

この時期は離乳を開始する目安にもなり、生後3〜4週間くらい(歯が生えたら)離乳を始めることが推奨されます。乳歯が生え始めると、哺乳器の先端を誤飲しないように注意が必要です

  子猫の予防接種(ワクチン)はいつから?

    ◦ 予防接種(ワクチン): 母親由来の移行抗体による干渉を避けるため、6〜8週齢で開始し、2〜4週間隔で2回目・3回目のワクチンを接種し、最終接種は16〜18週齢くらいで行うのが推奨されています。その後は感染のリスクに応じて1-3年に一度の接種を行います。

    ◦ 早期健診とトレーニング: 子猫の時から動物病院へ定期的に通院し(2週間〜1ヶ月に1回程度)、診察室に慣れさせたり、おやつをもらったりするトレーニング(キャリートレーニング、投薬練習、爪切り・耳掃除の練習など)を行うことが、ストレスのない予防医療につながります。

    ◦ 寄生虫対策: 下痢がなくても、子猫は消化管内寄生虫(回虫、原虫など)に感染していることが多いため、検便を行いましょう。
新たな感染体が排出されるまでの期間(プレパテントピリオド)があるため、数回の検便が必要な場合もあります。
また、子猫に多い外部寄生虫として、ノミ、マダニ、ハジラミ、疥癬、耳ダニがあります。特にノミはノミ取り櫛で必ず確認し、屋外に出る猫は見えなくても寄生しているものとして対応します。

出産から離乳までの期間における死亡率(死産含む)は8〜14%

子猫は非常に脆弱であり、特に生まれて間もない時期の死亡率が高くなります。子猫の死亡例の半数以上が、生後2週間以内に発生すると報告されています。

生まれたばかりの子猫は、自分で熱を保てない(体温調節機能が未熟)、排泄も自力でできない、免疫もまだ不完全という、非常に繊細な存在です。初期対応が生死を分けることもありますので是非参考にされてくださいね!

当院では院長およびスタッフがJSFM(Japanese Society of Feline Medicine)日本の猫学会が主催しているCATvocate猫の専任従事者を取得しております。猫の診療に必要な基礎知識を学び、猫の扱いに熟知したスタッフを育成するためのプログラムで、3年以内に2年間のプログラムを修了し、試験に合格すると認定されることができます。日々医療の情報も進化していくので、こういったプログラムに参加して、新しい情報を入れ続けることはとても大切だと思っていますし、飼い主様、動物さんたちにも安心して受診してもらえるのかなと思っております。

子猫との出会いは突然ですので、救命率を上げる為にも皆さんの知識にお役立ていただけましたら幸いです。

YOUTUBEでも子猫の成長期が動画でご覧になれます(情報が日々更新しており、ブログの内容と少し違うところがあるかもしれませんがご了承ください)

不安なこと、困ったことがありましたら当院にご相談ください