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COLUMN
コラム

2025.09.03
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【犬ちゃん・猫ちゃんの歯石取りについて】

こんにちは!港北にっぱ動物病院です!
最近こんな思いはしたことありませんか?

「うちの子の口臭がキツイかも・・・。」
「まだ若いのに歯石が付いているかも・・・。」
「お友達の犬ちゃん・猫ちゃんが最近歯石取りをしたって聞いた。」

身近なケアの一つとしてあげられるのが【歯のケア】です!!
なんと2歳までに70-80%の犬ちゃん・猫ちゃんが歯周病になると言われています。
そこで今回はデンタルケアの一つ歯石取りについてお話をしたいと思います。

🦷歯について

歯は食性によって異なります。
肉食動物:肉を裂いたり骨を噛み砕いたりすることです全ての歯が尖っています。(ネコなど)
草食動物:草をすり潰すために臼歯は平らで犬歯は発達していません。(牛や馬など)
雑食:切歯や犬歯は平たくハサミのように働き臼歯は臼のようにすり潰します。(犬や人間など)

歯は体の中で一番固い部分と言われており、特にエナメル質が硬くツルツルしています。
しかし【酸】には弱く溶けてしまいます。これが人での【虫歯】です。
私たちはこの酸から歯を守るべく日々歯磨きを行いますが、犬ちゃん・猫ちゃんはなかなか歯磨きが難しいと話を聞きます。
だから犬ちゃん・猫ちゃんも虫歯になるの?と疑問になりますが、人と口腔内環境が異なるため実は虫歯にはなりにくいんです。
その代わりに歯垢(プラーク)ができやすいので歯周病になりやすかったり、歯石が出来やすい環境にあります。

🦷歯垢・歯石とは

歯垢(プラーク)
プラークはバイ菌の塊で主に食べかすと細菌で作られており、歯肉炎・歯周炎の原因とも言われています。プラーク1gの中には1万億個の菌がいると言われており、うんちより多いんです!プラークは唾液のミネラル成分と反応し、犬は3-5日、猫は約1週間ほどで歯石へと変化します。人の5倍ほどのスピードで歯石になるそうです。プラークのは擦ることで取ることができます。

歯石
歯石はプラークが石灰化したものになります。歯石自体に病原性はありませんが、表面がごつごつとしておりプラークが溜まりやすくなっています。歯石の上にプラークが付くと取れにくく、お口の環境を悪化させてしまいます。
一度歯石となってしまうと擦ってもなかなか取れないためこの場合には麻酔をかけて歯石除去の処置となります。

🦷歯石取のメリット・デメリット

メリット
①歯がキレイになる
②歯周病など口腔疾患に対しての予防
③他の病気への影響を防ぐ
④口臭などの軽減

デメリット
①全身麻酔をかける

近年、無麻酔での歯石取りを目にすることがありますが、当院では全身麻酔下での歯石取処置となります。
無麻酔で行うことでリ多くのリスクがあげられます。

・十分な検査が行えない可能性
・処置中に動いてしまい十分な処置が行えない可能性
・痛みを感じやすいこと
・痛みを感ることで口周りを触られることへの恐怖心が生まれる可能性
 暴れる可能性
・骨折などの偶発する危険性が高まることで口腔疾患以外でのトラブルなど複数上げられます。


このようなリスクを少しでも減らすためにも当院では全身麻酔下での処置を行います。

🦷歯科疾患について

代表的なものをいくつかご紹介します。

・歯周病
 歯肉炎・歯肉(歯茎)が赤く腫れ炎症を起こすこと 歯周炎 歯肉が下がり赤く腫れ、歯槽骨が溶けること
・外歯瘻(がいしろう)
 歯の根元で生じた炎症が進行することでトンネルを作り皮膚の外へ膿が出ること。
 上顎の第4前臼歯が原因になることが多く頬や目の下に膿の出口が作られます(眼科膿瘍)
・顎骨骨折
 歯周病で歯槽骨が溶け顎の骨まで影響をもたらしもろくしてしまうこと
・口腔鼻腔瘻(こうくうびくろう)
 上顎の犬歯が原因になることが多く、炎症が進行することで骨を溶かし口腔内と鼻腔が繋がり
 膿が鼻に抜けること
・乳歯遺残によって起こりうる疾患
 噛み合わせの異常、永久歯が生えてこないなど
・歯の破損
 硬いおもちゃやおやつを噛むことで起こることが多く、神経などが露出しることで痛みが生じる

🦷どのくらいの頻度で行うべき?

歯石の着き具合などは個体差が生じるため一概には言えません。
しかし、一年の間に処置をした子、していない子では18%の寿命の差が出ると言われています。
だからと言って必ず一年に一回は歯石とりをしましょう!という事ではなく家でできる歯のケアをしつつ診察で定期的に歯のチェックをすることで処置をするベストなタイミングを飼い主様と考えていきます。

🦷手術が決まるまで

まずは体の状態をチェック

術前検査 血液検査🩸:腎臓や肝臓など内臓機能に異常がないか
胸のレントゲン検査🩻:肺や心臓に異常がないか
視診・触診👀🖐️:歯肉の炎症はどのくらいか、歯石はどのくらいついているのか、グラグラしている歯がないかなど確認します。

これらの検査は全身麻酔をかける上でとても大切な検査となります。

手術日程の決定


検査に異常がなければ飼い主様のご都合も踏まえ先生と一緒に決めていきます。もちろん検査で異常が見つかった場合は延期や精査へと進むことも。

🦷手術当日

朝のお預かり
朝ご予約時間にご来院頂き当日の体調を確認してからお預かりします。お預かり後は少しでも麻酔へのリスクを減らすためにも直ぐに血管を確保し点滴を開始します。

お昼休診時間に手術
しっかりと手術時間を設けることでスムーズかつ安全に、先生・スタッフ一同手術に集中することができます。

当日退院
1泊入院の避妊手術とは違い、歯石取は当日帰宅となります。前もってご予約をしていただいた時間にご来院頂きます。

🦷歯石取の流れ

麻酔
全身麻酔をかける上で私たち「寝ている間に何があったの?」と動物たちに感じてもらうべく安定した麻酔を維持し、スムーズな覚醒を心がけています。小さな変化にも気づけるよう常に麻酔管理モニターと向き合いつつ今までの経験と五感を駆使し全身状態の把握・チェックを行います。

歯科レントゲン
歯根部の状態や顎骨の状態、埋伏歯はがないかのなど確認をして抜歯が本当に必要なのか、残せる歯なのかを最終確認します。


歯石除去
超音波スケーラーを使用して歯石を除去していきます。除去をした後に歯のコーティングも含め歯磨きをおこないます。(必要に応じて抜歯を行います。)

    歯石を除去
   歯をコーティング
      抜歯時に使用

処置 ~処置前→処置後~
見た目では分かりずらいですが、歯科レントゲンを行うことで歯根部がどのような状態化がよく分かります。
今回印がついている歯に関しては根元が溶けてきているため抜歯になりました。(歯の根元が黒く色が抜けています)
歯石も取れて処置後はこんなにもキレイになりました!

術後
酸素、温度管理を行いスムーズな麻酔からの覚醒を心がけます。意識がハッキリとし、体温の安定を確認したら入院室でお迎えを待ちます。その間も継続して点滴をします。

退院💐
退院当日はお口を処置した違和感などで食欲にムラが出る可能性はありますが、翌日には戻ることがほとんどです。
処置後の食事に関しては普段与えている食事で問題ありませんが、処置の内容によっては柔らかい食事を与えるなど対応をお願いする場合もあります。

🦷費用はどのくらい?

体重や抜歯本数、重症度・処置内容によって変動するためお伝えが難しいのが現状です。
一度診察に来ていただきお口の中を確認したうえでのお伝えできればと思います。
(歯石取りの料金に歯科レントゲン代が含まれます。)

🦷お家でのケア

歯石取りをしたからおしまい・・・ではありません!
キレイになった歯を維持することが大切です。
そう!歯磨きです!!
一番の理想は歯ブラシを使って磨くことですが、歯ブラシを苦手とする犬ちゃん・猫ちゃんは多いと聞きます。
そこで当院では歯ブラシの他にもこのようにデンタルケア商品を取り揃えております。

🦷最後に・・・

歯石が溜まることは口臭だけでなく全身の病気に繋がる可能性があります。可能性を低くするためにも歯のケアをすることをお勧めします。

「歯を触ることはできるけど歯ブラシが難しい・・・」
「お口を触られること自体が嫌いで難しい・・・」


などそれぞれのお悩みはあるかと思います。
そんな時はうちの子にあったケアを病院で一緒に探してみませんか?
口腔内のことで少しでも気になることがあれば気軽にご相談ください!