COLUMN
コラム
ウサギさんの避妊手術について
今回は当院で行われたうさぎさんの避妊手術についてお話したいと思います。
こんにちは!動物看護師Fです。
年々ウサギさんも寿命が延び“高齢化”というワードが目立つようになってきています。
医療の進歩ももちろんですが“うさぎさんの避妊手術”の認知度が高くなってきていることが要因の一つかもしれません。
当院でもうさぎさんの避妊手術のご要望は多くあります。
シニア期のうさぎさんの陰部からの出血のほどんどの原因は子宮卵巣のことが多いので
速い段階で避妊手術することは麻酔リスクを下げるためにも重要だと考えています。

うさぎの避妊手術のメリット・デメリット
メリットとしては・・
子宮疾患(子宮内膜過形成、子宮腺癌、子宮腺腫、子宮筋腫、子宮水腫、子宮蓄膿症など)の予防、また卵巣が残っていることによるシニア期に増えてくる乳腺癌、乳腺腫、乳腺炎、乳腺嚢胞などの乳腺の病気の予防にもつながりますし、偽妊娠によるストレス緩和にも役立ちます。
デメリットとしては・・
体が小さいゆえに犬猫よりも麻酔のリスクが高く、健康で若い犬猫の麻酔の死亡リスクが0.3%ほどなのに対して、うさぎさんの場合は3%ほどといわれています。そのため、事前にしっかりとした術前検査を行ってリスク軽減の処置ができるように工夫しています。
実際当院で手術した子のご紹介
手術は全身麻酔下で行われます。
安全に手術を行うためにも術前の検査として血液検査やレントゲン検査など行います。事前に検査を行って問題なければ手術の日程を先生と一緒に決めていきます。
もちろん検査で異常が見つかった場合は中止になることも。
手術の流れ
当院では、うさぎさんの場合前日からの絶食絶水の必要はないとお伝えしています。当日は朝予約時間に来院頂き、お昼の休診時間に手術、当日夕方退院としています。
手術中の麻酔管理は麻酔モニターを使い常に状態を把握できるようにしており、
手術後は温度、湿度、酸素管理がしっかりとされたICU内で管理、スムーズな覚醒を心がけています。


上記、左の画像は術後すぐの傷口です。少し痛そうに見えますがよーく見ると…
なんと、抜糸する糸がないんです!
抜糸する必要がないように縫合することで、違和感で糸を引っ張って傷口を気にするしぐさなども軽減されます。
そして右の写真が術後一週間の傷口です!傷口もきれいにくっついています。
術後はぼんやりしている時間もありましたが、覚醒もスムーズでご飯もすぐに食べれるようになります。その後もご自宅で元気に過ごしてくれていたようです。
費用に関しては当院ではうさぎさんの避妊手術の場合4-5万円前後となります。
「うちのこはまだしていない…。」「避妊手術をしようか迷っている…。」
などでお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。