COLUMN
コラム
痛い💦犬ちゃん・猫ちゃんに咬まれたその時は・・・
こんにちは、港北にっぱ動物病院です!
「うちの犬・猫ちゃんと遊んでいたら興奮してしまって手を咬まれてしまった💦」
「ノラ猫ちゃんが可愛くて触ったら引っかかれた・・・。」
こんな事一度は経験、もしくは今後出くわす可能性があるかもしれません。
そんな時の対処法を今回はお話したいと思います。
咬まれると危険!?その理由
人と動物の共通感染症があるのはご存じでしょうか?
人獣共通感染症もしくはズーノーシスと言い、動物と人との間で感染する病気のことを言います。犬ちゃん、猫ちゃんの口腔内は常在菌として細菌が多く、咬まれることにより細菌が体内に侵入します。咬まれた後は正しい対処をしないと重症になることも・・・。亡くなるケースもある怖い病気もあるため、病気を知っておくことが大切です。
動物看護師Fは若き働き始めた頃に猫ちゃんに腕を咬まれ、対処を間違えた結果点滴まですることになってしましました・・・。
どんな人獣共通感染症があるの?
今回代表的な感染症をご紹介したいと思います。
パスツレラ症
病原体:パスツレラ菌
感染源:犬・猫・ウサギ
[犬2割、猫8割が口腔内常在菌として保有]
経路
ヒトへは動物の咬傷、搔傷による感染、または経気道感染がある。犬猫から感染するのは、非敗血症型菌(局所的な部位のみでの感染)
症状
ヒト:創傷部の発赤、腫脹、疼痛、局所炎症、上気道炎、肺炎
動物:犬猫は通常無症状、ウサギは鼻炎(スナッフル)、気管支炎、肺炎
対策・注意
ペニシリン系抗菌薬、傷口の消毒
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カプノサイトファーガ感染症
病原体:カプノサイトファーガ・カニモルサス菌
感染源:犬・猫
[犬7割、猫5割以上が口腔内常在菌として保有]
経路
ヒト動物の咬傷、搔傷により感染。40歳以上の男性に多い。近年増加傾向
症状
ヒト:発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛など。まれに敗血症、髄膜炎からDIC、多臓器不全、敗血症性ショックなどで死亡する例がある。
動物:無症状
対策・注意
抗菌薬の使用。基礎疾患を持つ人は注意。
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狂犬病
病原体:狂犬病ウイルス(ラブドウイルス)
感染源:全ての哺乳類
経路
感染している動物の唾液に含まれる狂犬病ウイルスが、咬まれることで侵入し感染
症状
動物:神経症状、攻撃性の亢進など。発症すると100%死亡する。
ヒト:1ヶ月以上の潜伏期間から咬傷部位の知覚過敏が起き、その後のウイルスが中枢神経に侵入し神経症状が出る。運動障害、嚥下障害、幻覚、麻痺、狂騒、昏睡。発症するとほぼ100%死亡する。
対策・注意
ヒト用、動物用のワクチンがある。海外の流行地域で犬に咬まれた場合、潜伏期間中に数回のワクチン接種(暴露後免疫)する。狂犬病予防法を順守することも重要。
流行地域での犬ちゃんとの接触を避けましょう。
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猫ひっかき病
病原体:バルトネラ菌
感染源:猫(特に子猫)・ノミ
経路
猫には猫ノミを介して感染し赤血球に寄生。ヒトヘは猫による創傷感染。
症状
ヒト:発熱、咬傷部位の発赤、リンパ節の腫脹
猫:菌血症(無菌である血液中に細菌が混入した状態)を起こすが無症状
対策・注意
猫とじゃれあう子供さんは要注意。定期的な爪切り、ノミの予防、駆除をする。外傷は消毒する。
もし咬まれたり引っ掻かれてしまったら?
ここで当院での応急処置をご紹介します!
あくまで応急処置ですので、怪我がひどい、腫れていたいときには人の病院を受診されてください。
①傷口を流水で洗い流しながら血を絞る
傷口の細菌をしっかりと絞り出すことで後の炎症の軽減や完治までの期間に違いが出ることがあります。
ポイント:水道水の流水で少し強めの力でしっかりと傷口から血を絞り、洗いましょう。痛いですがとても大切な作業です。
傷口から入ったばい菌をなるべく絞り出します。


洗い流した後の写真がこちら ↓かなり腫れがひいています


②しっかりと水分を拭き取り、傷口に塗り込むように消毒用イソジン液で消毒
ポイント:綿棒など先が細いもので消毒すると傷口の奥までイソジン液が浸透しやすくなります。先生は傷口の中までぐりぐりやります。



③イソジン液を乾燥させそのまま放置
イソジンの消毒効果が発揮されるのが乾燥するときになるためしっかりと乾燥させましょう。
ポイント:絆創膏などはせずそのまま乾燥。傷パワーパッドなどは感染がある場合はやめておきましょう。表面だけくっついて中でばい菌が増殖してしまいます。
④その後はヒトの病院へ受診を!皮膚科・外傷がひどい場合は整形外科を受診してくださいね。時々動物病院を受診される方がいらっしゃいますが、人間は診れないので必ずヒトの病院へ向かってくださいー!
最後に・・・
犬・猫ちゃんに咬まれた傷口を見ると穴が小さかったりしますが、歯が鋭いため深くまで刺さっていることが多いです。そのため見た目とは違って重症だったりすることもあります。ご紹介した対処法は応急処置となりますので、その後は速やかにヒトの病院へ受診しましょう!お互いに怪我をしないためにも過ごしやすい環境や接し方を気にかけてみるのもいいかもしれません。
動画もあるので是非見てみてください😸

