COLUMN
コラム
うさぎの食欲不振?原因は胃腸うっ滞のサインかも!?
こんにちは、港北にっぱ動物病院です!
「最近うちのウサギさん、食欲が落ちてるのが心配で・・・」
「うんちが小さくなった気がするかも?」
このような症状に出会ったことはありませんか?
実はこのような症状を放っておくと命に関わる危険性があるんです!
ここで今回はウサギさんの【胃腸うっ滞】についてお話したいと思います。
🐰胃腸うっ滞とは?
ウサギさんは草食動物で、常に食べ物を口にして消化管を動かしています。
ところが何らかの原因で胃腸の動きが悪くなり消化機能が低下し、胃内にあるものが消化管を通過しにくくなり停滞した状態をのことを言います。
うっ滞が起こることで胃内で内容物の異常発酵が起きてガスが発生します。お腹が張ったり痛みを引き起こしさらなる食欲低下を引き起こすことがあり、状態によっては命の危険に関わる状態です。
🐰どんな原因が考えられるの?
いろんな原因があげられますが代表的なものを上げてみました。
①食事の問題
食事に含まれる繊維質が不足すると胃腸の動きが悪くなることがあります。
②精神的・身体的ストレス
環境の変化・物音騒音などにストレスを感じ胃腸の動きが悪くなることがあります。また、痛みが原因でもストレスを感じ同様の症状が現れます。
③異物・毛の摂取
化学繊維(壁紙・カーペット・ビニールなど)や換毛期などで抜けた大量の毛を飲みこむことで消化管の通過が難しくなり胃腸の動きを悪くしてしまいます。
ウサギさんの換毛期は年に4-5回と言われており、その中でも冬毛から夏毛に変わる【春】、夏毛から冬毛に変わる【秋】がたくさんの毛が抜けます。抜けた毛を処理するために毛づくろいすることでたくさんの毛をお腹中に入れてしまいます。胃の中で毛玉となりそれが原因となり胃腸のうっ滞を引き起こすともいわれており一番身近な原因の一つと言えます。
最近当院にご来院されたうさぎちゃんです。

毛が抜けた部分はスッキリしています。見てはっきりと分かりますね!
そしてこちらが抜けた毛です!

こんなにも毛が抜けるんです!!これが胃の中に入ると考えるとびっくりですね💦
🐰どんな症状がでるの?
代表的な症状をあげてみました。
☑食欲が落ちた
☑うんちが小さくなるもしくは量が減った、出なくなった
☑元気がない、いつもと様子が違う
☑お腹がパンパンになる
☑歯ぎしりをする
☑ぐったりしている
このような症状が少しでもみられる場合は早めに受診することをおすすめします!
🐰診断と治療について
診断
①問診
お家での生活環境や食事について確認をします。
②身体検査
お腹の張り具合、口腔内、胃腸の蠕動音など一般状態を確認します。
③画像検査
レントゲンでは胃の大きさや、ガスの溜まり具合、異物がないかを確認します。
超音波では胃腸の動きを確認します。
④血液検査
他に疾患が無いかも含め全身状態を確認します。
状況によっては造影検査など必要に応じて検査を行います。
治療
原因や状態によって異なりますが、基本的には内科療法で治療を行います。
脱水を改善するために水分補給と胃腸運動を助ける薬を使用します。必要によっては痛み止めなども使用します。
また強制給餌を行うことで栄養や水分をとりつつ胃腸運動を促していきます。
🐰何か予防できることは?
日頃からの健康管理が大切で、食事の管理、ストレスの管理、グルーミングなどがお家でできる予防になります。
食物繊維を多くとれるようにする、急な環境の変化やストレスになることを避け安心できる環境にする、ブラッシングで抜け毛のケアするなど行いましょう。
🐰最後に・・・
うさぎさんは自然界では捕食される動物のため体調が悪いことをギリギリまで隠してしまう動物さんです。症状が現れた時は見た目によらず重症なことがあります。
大切な家族として健康で長く生活できるためにも様子がいつもと違うかも?と感じたら早めに病院へ受診しましょう!
生活環境や食事環境についてもご不安がありましたらお気軽にご相談ください!